眼精疲労は、“視作業を続けることにより用意に眼が疲れ、視力減退・複視・眼痛・頭痛などを訴え、
時には悪心・嘔吐をも起こすような状態”をいいます。
健常者でも近見作業の程度、持続時間、環境により眼の疲れを起こし得るが、
健常者では疲労しない程度の眼の使用でも眼が疲れるものを病的と見なします。
最近では過度の視作業(VDT作業など)による眼精疲労を訴える方が増えてきています。
① 夕方になると眼精疲労を強く感じる(低血圧症,更年期障害などによる全身疲労性眼精疲労)
② 疲れると物が二重にみえる(斜位,輻輳不全などの筋性眼精疲労)
③ 疲れるとぼやけて見える(乱視,遠視などの調節性眼精疲労)
上記のような健常者の調節機能低下による眼精疲労症状は改善が期待できます。
[病態]
近業の程度・持続時間・環境の苛酷な条件下での視作業(VDT作業など)での
毛様体筋の疲労などによる眼の調節機能低下から眼精疲労が生じます。
[症状]
疲れるとものがぼやけてみえ、近距離視力の減退を訴えることが多くあります。
また、眼痛や前頭部の圧迫感が生じ、ひどくなると悪心・嘔吐を起こすことがあります。
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東洋医学的には・・・
眼を連続的に使用すると疲労しやすく、眼球の脹痛,視力低下,めまい,頭痛,
閉眼時の痛みなどの症状が現れるものを眼精疲労といいます。
普通は十分に休息をとれば回復します。東洋医学では『肝労』に相当します。
① 肝血虚による眼精疲労
肝は目に開竅しており、肝血は目を栄養している。
肝血虚になると目を十分栄養できなくなるので眼精疲労が起こやすくなる。
② 肝腎陰虚による眼精疲労
遠視,近視,老視などの人が目を使いすぎて気血を消耗すると眼精疲労が起こる。
これは肝腎の精血が不足していて、目を十分に栄養できないためである。
①が進行すると②に発展する。
[症状]
主要な症状としては目の乾き,目のかすみ,視力低下,目の脹痛など
随伴症状としてはめまい,耳鳴り,健忘,胸脇苦満,手足のしびれなどがあります。
[治療方針]
精血の不足を補い、局所の経絡気血の循環を改善します。